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クレームとストレス

クレーマー対応、クレーム対策、苦情処理といった業務はサービスの品質を維持、向上させるために必須の要素です。サービス業の重要性が高まっている日本にとって、クレームクレーマー、苦情などを扱う業務の高度化が強く望まれています。

本サイトでもクレーマー対応、クレーム対策のさまざまな視点、知識、情報を提供していますが、知識や情報、ノウハウだけではクレーム専門家にはなれません。大切なことが欠けています。クレームや苦情、クレーマーといった、とかくマイナスのイメージが付きまとうものを扱うわけですから、担当するスタッフは強いストレスにさらされるわけです。

お金をもらって働いているスタッフといえど、人間です。苦情やクレームから受ける精神的な負担に耐え続ける必要はありません。労働者として健康な労働環境を用意してもらわなければいけません。

過度のストレスは正常な肉体・精神の働きを壊し、神経症やうつ病、心身症などを引き起こす原因になります。スタッフにこのような病気が発症すれば、業務の継続も難しくなりますし、職場の環境もよくなくなります。

すべてのスタッフが元気に気持ちよく働ける職場環境を作らなければいけないことはいうまでもありません。

クレーマー対応、クレーム対策、苦情処理の専門家にとって、ストレスメンタルヘルスについての知識も重要なものになってきています。

ここでは簡単にストレスの基礎知識を見てみましょう。

そもそも、ストレス(stress)とは外部から加えられた「ゆがみ」というように考えられています。適度なストレスは、能力やモチベーションの向上のために必要です。

人にストレス(ゆがみ)を発生させる源は、ストレッサー(stressor)といいます。

クレーマー対応、クレーム対策のスタッフがストレス状態に陥るとすると、そのストレッサー(ストレスの源)はクレーマーやクレーム自体であると考えることができます。強く怒鳴られたり、欠陥を叱責されたり、確かにストレスを受けやすい状態であることは想像しやすいです。

しかし、実はクレーム対策・対応の担当者という役割自体がストレスになっている場合も多くあります。特にお客様と対峙する「フロントオフィス」の従業員はお客様からは「満足するサービス」を要求され、会社や店からは効率や業績を求められます。いわば板ばさみになっているのです。

クレーム対策の担当者も、お客様からは「問題を解決してほしい。不満を解消してほしい」ということを要求され、会社や店からは「合理的な対応と情報収集」を求められます。クレームを寄せるお客様は「特別な対応」を望むことが多く、会社や店の考え方とは根本的に違います。

クレーム処理という場で、常にお客様と会社・店との板ばさみになる役割を負っていること、これがストレスとなるという報告がたくさん出てきています。

これからはクレームやクレーマーにどのように対応し、対策を練っていくのかという手法ばかりではなく、クレームクレーマーに対応する担当者のメンタルヘルスをどのようにサポートしていくかをよく考えなければいけないでしょう。