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問題解決は分割して考えよう

お客様はクレーム時に、相反した「感情的心理」と「理性的心理」が並存しています。いわば、非常に複雑な心理状態にあるわけです。

感情的心理の面で言えば、お店や会社に感情的な償い、謝罪や反省を要求しているのですが、理性的心理の面では、お店や会社からの物理的・経済的な補償を求めているのです。

クレーム・クレーマー対応のスタッフの対応次第で、お客様はこの2つの心理のどちらに傾くかが決まっていきます。

お客様の2つの心理をコントロールする


あなたのいうことはわかるけれど、私の心はどうなるのよ!」というお客様の声が複雑に混乱したお客様の心の状態を表しています。このように複雑にこじれてしまったお客様の心理をあなたはほぐしていき、クレームの問題解決へと導いていかなければならないのです。

クレーム・クレーマーの対応の問題ばかりではなく、数学や経営の問題でも同じことでしょうが、複雑な問題は分割して、簡単な問題に分けて考えることが秘訣です。

どんなに複雑な問題でも、整理して、分割すれば、簡単な問題がいくつか集まったものに過ぎません。一つ一つの問題を把握して、順々に解決していけば、どんなに複雑な問題でも解けないことはありません。

どのように分割するべきか


すでに、問題は「感情的な心理」と「理性的な心理」の2つに分けられるということですから、2つに分けて考えます。この2つの心理のどちらを先に解決していくべきでしょうか?

答えは「感情的心理」です。「謝って欲しい」というお客様の心理を尊重し、お客様の不満や怒りを静めてもらうことが第一なのです。あなたが日常、他人に何か迷惑をかけたときに最初に何を言うでしょうか?きっと、「ごめんなさい」です。友達の車を壊しておいて、「いくら弁償したらいい?」と最初にいう人はいないでしょう。まずは「ごめんなさい」です。

感情的心理をフォローする


クレーム対応時も同じことです。お客様の感情的心理を尊重して、お客様の気分を害したことを謝り、心から済まない気持ちであることを伝えます。お客様の感情的心理を最初に解きほぐすことからはじめ、十分にほぐれてから理性的な心理問題にあたることになります。

感情的な心理を解きほぐす際には、頭ごなしに謝ればいいというわけではないです。お客様が感じた不満・不安・怒りを十分にお聞きすることが大切です。いわば、お客様はお店や会社によってストレスを受けたのですから、そのストレスを解消するために十分にカウンセリングされる必要があるわけです。

お客様の話をよく聴き、表情もしっかりお客様の方を見て、全身全霊でお客様に対峙していることを示します。お客様のことを第一に考えており、「あなたのために努力している」というメッセージをお客様に送ります。適度な感覚で、お客様の話に相槌を打ち、お客様の意見に同意をします。この時に、お客様が「この人は私の味方だ」「私に親身になってくれている」という感覚を持ってくれたら成功です。

お客様の言葉、フレーズを引用する


また、お客様の話の中に出てきた言葉やフレーズを頻繁に引用することも大切です。お客様とスタッフが同じ世界観を共有していることを伝えるのに一番有効な方法です。

お客様:「広告に書いてあるみたいな効果はないじゃない!」
スタッフ:「申し訳ありません。お客様に効果を実感していただけず、残念でございます。」

お客様の語調や雰囲気のようすで、不安や怒りなどの感情的な心理が静まったと判断したら、次の理性的な心理をほぐしにかかります。一般的に、それまで一気呵成に話していたお客様が、少しずつ途切れるようになったり、鼻息が収まったり、スタッフの話を聞いてくれるような姿勢を見せるなどをサインにします。