TOP > クレーム対応の基本 > 極端なクレーム対応の態度は逆効果

極端なクレーム対応の態度は逆効果

顧客満足が企業競争力の中核になる今日では、クレームは製品サービスの改善のみならず、経営の改善にとって最も重要な資源です。

多くのお客様は不満や苦情があるとしても企業にクレームをつけることはありません。それは「いやな気分になりたくない」からです。

あなたが他の会社やお店の製品やサービスに不満や苦情があったとしましょう。お金を払って得た製品やサービスに不満がある自体で、気分は悪いでしょう。それ以上にクレームをつけていやな気分にはなりたくないでしょう。

クレームしている自分を思い浮かべるよりは、ちょっとしたカフェやレストランでおいしいものでも飲み食いしたほうが気分転換になると思います。

そして、二度と不満が会ったお店や企業に足を運ばなければいいだけです。


このように考えると、クレームはあなたの元にたどり着くだけ奇跡的なことかも知れません。

企業やスタッフが知らないうちに、お客様が減っていくのです。クレームこそ、気づかないうちに自社の悪評が広がっていくという悪夢を修正する絶好の機会なのです。

そこで、企業がクレーム対応で第一に実現しなければならないことは、「顧客満足」です。

クレームを下さるお客様に満足してもらえるクレーム処理・クレーム対応を心がける必要があります。

少なくとも「クレームを言ってよかった」と感じてもらえる対応が必要です。すでに「クレーム対応プロセス」説明したように、感情的になられているお客様にひとまず理性的にお話してもらえるようにお客様の話を一心に聞き、それからゆっくりと対話を開始し、何が悪かったのかを理解していくという段階を踏みます。このプロセスは必ずしもいついかなるときも通用するわけではなりませんが、お客様の話を第一に聞くという点は心がけておく必要があります。

その上で、お客様がクレームを言って、「あぁ、やはりクレームなんていわなければ良かった」というようにがっかりする場面を想定してみましょう。少なくとも、お客様ががっかりするような対応はするべきではありません。

ここでは以下の8つの態度を例に挙げて説明します。

(1)「ひたすら謝る」
(2)「拒否する」
(3)「フォローしない」
(4)「無責任」
(5)「無礼」
(6)「たらいまわし」
(7)「文書作成優先」
(8)「警察的な態度」

今回は、(1)から(3)までの態度を扱います。

(1)「ひたすら謝る」
クレームを下さったお客様に、ただひたすらスタッフが謝り続けるという対応は逆効果です。

「申し訳ありません」とはいうが、対応としては何もせず、「店の方針なのです」「そのように決まっております」といったことしか言わないとしたら、お客様はどう思うでしょうか。

謝ることもそれなりにお客様の不満を解消することはできます。しかし、本質的にはお客様は何か対応してほしいことが多いでしょう。

(2)「拒否する」
クレームに対して、企業側が「拒否する」というのは考えられない、最悪の対応です。

「お客様の取り扱いが悪かったのではないでしょうか」「もっとはやく苦情を下さいましたら、対応できましたが・・・」といったクレーム対応です。

これは顧客満足という観点をまったく無視したものです。企業の経営姿勢を根本的に問われるような致命的な対応です

たとえ、お客様に問題があったとしても、その状況や理由を説明して、どうしてこのような状態になってしまったのかを懇切丁寧にお客様に説明し、理解してもらうようにしましょう。お客様とあなたで同じ立場に立って、解決策を求めていくように努力しましょう。

(3)「フォローしない」
たとえ、受付の時点でクレーム対応をしっかりしても、その後、お客様をフォローしないならば、何の価値もありません。特に電話や手紙、はがき、メールでのクレームにはフォローしないことがかなり多くあります。このような「無視」のクレーム対応は、お客様の不満や苦情をさらに悪化させ、他店他社へ向かわせる決定打になります。